BLOG

月見で一杯

2023/09/29

コロナ禍も日常に戻り、私たちの生活も以前のような形に戻りました。この数年間は様々な制限下での生活を余儀なくされましたが、季節の宗教行事が数多く中止になった影響は計り知れません。
花まつり、盆踊り、精霊流し、施餓鬼会など各地の宗教行事や伝統儀礼は四季や季節の産業や信仰などによって支えられ、複雑かつ重層的に維持されてきたものが多くあります。
そのようなものに触れることで郷土の食文化や行事に四季のうつろいを感じ、同時にそれが信仰の土台にもなってきました。それらが強制的に中止を余儀なくされたということは、大きな損失であるといえます。人々の往来が戻り、お盆やお正月に帰省する人も増え、伝統的な儀礼に参列する日常も次第に戻ってきました。移動制限が無く人と会うことができるという当たり前の日常の素晴らしさを嚙み締めると共に、季節ごとの伝統的な儀礼の中に四季おりおりの自然や食文化の体験を持つ時間もまた大切なことです。
これまで何となくお供えしてきたおはぎやぼたもちにも、気が遠くなるような遥か遠くの文化や風習、ご先祖様の願いが込められています。小さなことかもしれませんが、おはぎやぼたもちの歴史に触れつつ家族で楽しく小豆を茹でて、あんこを作ってみるだけでも、かけがえのないお彼岸の経験と思い出になります。今日まで何気なく食べてきたおはぎやぼたもちを包むあんこの豊かな食感や味も、これまでとは一味違ったものになるに違いありません。そんな私たちの姿をご覧になり、風に揺れる牡丹や萩の花の草葉の陰で、ご先祖様もきっと喜んでいるでしょう。・・・とはいえ食べ過ぎにご注意